コロンビア(GP−25)レコードプレーヤ、カセット、CDの整備方法

 

コロンビア(GP−25)を整備してみました。ラウンドダンスなどに使われている方のために、その分解整備の方法と、使用上の注意などを報告します。ただしコロンビアさんの了解を得て分解したわけではなく自己流ですので、この記事により不具合が発生しても責任は負いかねますので、各自の責任の元に実施してください。

テーマ1:レコードプレーヤに回転ムラがあり、回転が安定しない場合の整備方法

このプレーヤはゴムベルト駆動方式ではなく、ゴムローラ圧着方式のため、そこでのスリップが原因として考えられます。ターンテーブルを抜き取り、内部のモータ軸とゴムローラ、ターンテーブル内側をアルコールで清掃すれば回転が安定すると思います。

分解方法

  1. 装置裏側の足ゴム4本、更に止めネジ6本、合計10本を外す。(木ネジと金属ネジが混在しているので、必ず元のネジ位置に戻せるようネジの種類を覚えておくこと。また、電源コンセントを抜いてからこの作業を行うこと。)(写真1)
  2. 裏蓋を外すと、ターンテーブルの中心軸の真下に当たるところにターンテーブル抜け落ち防止用の割ピンが見えてくる。(写真2)
  3. ターンテーブル抜け落ち防止用の割ピンを、細いペンチやピンセットなどで外周方向に引き抜く。(このとき、元に戻す時の目印に、引き抜く前にピンの位置にマジックで印を付けておくと良い。)
  4. ターンテーブルの回転数ツマミをOFF位置にして、ターンテーブルを抜いてみてください。すんなり抜けたでしょう!
  5. ターンテーブルの下側に隠れていた回転部分(ゴムローラ、モーター軸)をアルコールを含ませた綿棒で清掃する。(このとき、ゴムローラが真円ではなく少し凹んだように変形しているなら、ゴムローラを良品と交換しなければ回転ムラは直りません。)
  6. 抜き取ったターンテーブルを逆さまにして、ターンテーブル内側の縁(ゴムローラが接する部分)を、アルコールを含ませた綿棒で清掃する。(写真3)
  7. 抜き取ったターンテーブルの先端(下側)は軸受けになっているので、グリス(油)が塗ってあります。不足しているようならグリスを塗っておきます。(ほんの少し塗ればOKです。(塗りすぎに注意)
  8. 抜き取ったターンテーブルを元に戻す。
  9. ターンテーブル抜け落ち防止用の割ピンを、細いペンチなどで元に戻す。(この作業が一番やりにくく、なかなかピンが元のように戻りません。根気よく試してください。)
  10. 1〜2で外した裏蓋を元に戻し、ネジ10本を締める。


使用上の注意:上記5.で述べたように、ゴムローラが変形すると回転ムラが出るようになります。ターンテーブルを使用しない時は、ターンテーブルの回転数ツマミをOFF位置にしておきましょう。そうすればゴムローラが圧着状態から解放され、変形を防止できます。

テーマ2:カセットテープをセットして、早送りや巻き戻しは正常だが、録音/再生ボタンを押してもうまくテープが回らないらしく、音が出ない場合の整備方法

このカセットテープは構造上の欠点で、経年変化で、カセットをセットするアクリル製のフタが、装置正面から見て左上がりに曲がってきます。その曲がり具合が限界を超すと、テープをセットしてもテープ自体が左上がりになってしまい、うまく録音/再生ヘッドに接触しなくなることが原因として考えられます。しかし、この曲がりを矯正するすることは難しいです。簡単な方法としては、録音/再生時に、アクリル製のフタの浮き上がった左側を手で押さえ込んだ状態で、録音/再生ボタンを押してください。ボタンを押した後は手を離して大丈夫です。こうすればうまく録音/再生できると思います。

どうしても左上がりが気になる方は、アクリル製のフタを良品と交換するか、効果が現れるかは疑問ですが、フタの右側に爪楊枝などを挟んで、下がるのを止めた状態で、左側には水の入ったペットボトルなどを乗せ、左が徐々に下がってくるのを時間を掛けて(1ヶ月位?)待ちます。(メーカーはこの欠点に気づき、比較的新しい製造のものは左上がりにならない構造になっているようです。)

 


今回、コロンビア(GP−25)を整備してみて関心したのは、レコードプレーヤとカセットテープに加えて、CDまで自由に再生速度を変えることができるという点です。
既に製造中止の製品ですが、RD、SDにとっては大変便利な機能なので、お持ちの方は大事にお使い頂きたいと思います。また、これから中古品を入手するのも良いのではないでしょうか。

以上

報告:ちがさきシーサイドスクェアーズ 金子 E-mail:goldencatcom@ybb.ne.jp